労災遺族請求、予測の25% 会社被災し書類そろわず?

岩手、宮城、福島の被災3県で、親族が労災給付を請求した件数が、厚生労働省の当初見込みの25%にとどまっていることがわかった。請求が滞っているのは、事業所の被災で必要書類がそろわないことや、家族が行方不明者の生死の判断をつけられないためのようだ。 盛岡市内で6月下旬に開かれた被災者向けの無料相談会。宮城県内の50代女性が相談に訪れた。60代の夫がアルバイト中に行方不明になったという。「労災になると聞いたが、会社から何も言ってこない。どうすればいいのか」

 厚労省によると、仕事中に津波に襲われた場合は、業務災害として労災保険が適用される。労災の遺族年金は、死者・行方不明者と生計をともにしていた親族に受給権がある。死者・不明者の給与と賞与の4~7割程度の年金が支給され、一時金300万円と葬祭料も出る。東日本大震災の発生時、大半の事業所は就業時間中で、労災保険の対象者は多い。

 3県の死者・行方不明者は計2万2千人余り。厚労省は就労人口や稼働率などを踏まえ、労災の遺族給付の請求を3県で4800件と見込んでいた。しかし、請求は1191件(4日現在)で、25%にとどまっている。また、このうち不明者の親族からの請求は、3県で計40件(6日現在)のみだ。

 請求が伸びない理由について、岩手労働局は「手続きには会社の協力が必要だが、会社ごと津波で流されたり、事務員が亡くなったりして滞っているのではないか」とみる。

(7/11 朝日新聞)