カテゴリー別アーカイブ: ガンって?

ガン拠点病院で腫瘍マーカー誤検査 627件

国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)の臨床検査部で、平成21年までの4年間にわたり、がんの発生を確認する「腫瘍マーカー検査」に使う「試薬」に、本来使うべきものとは異なるものを使用、少なくとも627件の検査が行われていたことが27日、関係者への取材や内部資料から分かった。誤った検査結果は、そのまま医師に伝えられており、その後の患者に不必要な検査などを強いた可能性がある。厚生労働省は同病院から事情を聴き始めた。病院が立地し、調査権限を持つ柏市も立ち入り検査を検討している。 関係者によると、臨床検査部内では試薬の誤使用を19年の時点で把握していたにもかかわらず、事態を公表することなく、さらに2年間同じ試薬を使用し続けていた。他にも、検査結果が正常か異常かを判断するための「基準値」が、複数にわたり誤って設定されて運用されていたことも判明。がん治療の拠点病院がずさんな検査をしていたことで、原因究明などが求められそうだ。

 腫瘍マーカーは、がん発生の有無を調べる検査の一つ。試薬は、がんの疑いのある人から採取した血液成分を検査する際に使う。

 今回の誤使用は、がん発生時に体内で増加する「βHCG」と呼ばれる成分を検出する腫瘍マーカー検査の過程で起きた。臨床検査部では、βHCGを単独検出する目的で行う検査にもかかわらず、βHCG以外の成分まで検出する試薬を使用。がんではない人にも「がんの疑いがある」とする検査結果が伝えられていた可能性があるという。

 19年に院内の他部から、他の検査の結果の不正確さの指摘があり、臨床検査部で調査した結果、試薬の誤使用を把握。17年から19年の時点までに計627件の誤使用が判明した。試薬名が似ていたことが誤使用の原因となったようだ。

 しかし、同部では問題発覚後も、医師らに誤使用の事実を伝えなかった。当時の関係者は「発覚によって騒ぎが大きくなるのを恐れた」と話している。誤使用は、病院が腫瘍マーカー検査を外部委託する21年まで継続していたという。

 臨床検査部ではこれ以外にも、一般的な血液検査をめぐり17~19年にかけて「基準値」の設定を誤って運用するなど、ずさんな検査を実施していた。

 がんセンターは「過去に東病院で問題があったことは聞いているが、具体的な内容は不明なので調査したい。現在は適正な検査態勢にある」と話している。

(産経ニュース 2011.9.28 )

肺がん 男女比は5:5、2年に1度はチェックし早期発見を

ロス・インディオスの女性ボーカルとして歌った『別れても好きな人』などで知られる歌手・シルヴィアさん(享年52)が肺がんのため、11月28日、都内の病院で亡くなった。 シルヴィアさんは、のどの調子が悪く、全身にだるさを感じてから精密検査を受けて病気が見つかったという。だが、“それでは遅い”と癌研究会有明病院顧問・土屋了介医師はいう。

「残念ながら自覚症状が出てから検査して、肺がんが見つかったとしても、その場合、大半は助かりません。症状が出た後では、進行しすぎていて転移しているケースがほとんど。そうなってからでは、多くの場合、薬や放射線でがんの進行を遅らせることしかできないのが現実です」

 では予防法はないのか。 「定期的な検査が最も有効です。特にいまはCTによる検診ならかなり小さながん細胞も見つけられるので、2年に1度で充分なので受けていただきたい」(前出・土屋医師)

 だが一般の主婦にとって、定期的に検診を受けることは、経済的にも時間的にも負担が大きい。

「企業に勤めていれば、会社の費用負担で人間ドックを受けられる人も多い。しかし、専業主婦が人間ドックを受ければ保険が適用されず、日帰りコースで5万円前後の費用がかかります。

 これに対し、市区町村が行っているがん検診は無料か1000円前後の自己負担で済みます。しかし、検査部位によって受けられる年齢や日程がまちまちだったりと使い勝手が悪い。乳がんや子宮がん同様、早期発見が重要な肺がんなどについても、もっと検診を受けやすい体制づくりを急ぐべきです」(医療ジャーナリスト)

いまや肺がんの罹患率は「ほぼ男女五分五分」だと前出の土屋医師はいう。主婦に限らず、検診の機会を自分で作りださなければならない立場の女性であれば、まずは市区町村役場に検診スケジュールを尋ねることが重要だ。

※女性セブン2010年12月16日号 

厚生労働省の乳がん検診無料クーポン 利用者は24.1%

55才で亡くなった田中好子さんも発症した乳がん。厚生労働省は、2009年から乳がん検診用の無料クーポン配布をスタートさせた。対象者は40、45、50、55、60才の年齢になった女性。これは自宅に送付されるが、昨年の厚生労働省の報告によると、クーポン利用者は24.1%にすぎなかった。 神奈川県在住の専業主婦のA子さん(43才)は30才のときに長男を出産。これまで一度も乳がん検診をしたことがないという。

「“受けなきゃ”と思ってるうちにタイミングを逃しちゃう。結局のところ、自分は乳がんにならないとどこかで思ってるんですよね。家族で乳がんになった人もいないし、出産もして、生理も順調。毎日とはいわないけど、自分なりに触診して、シコリやひきつりがないですし…」

 10才の双子の母親である宮崎県在住のB美さん(45才)は、「子育てに追われる日々のなか、病院は遠いし、正直面倒で…」という理由で乳がん検診をしていない。

 乳がん治療にかけては都内でも有数の『新宿ブレストセンター クサマクリニック』日馬幹弘院長が説明する。

「日本乳癌学会が認定している乳がん専門医は全国で800人しかおらず、しかもその多くは、東京を中心とする関東圏、大阪、札幌、仙台といった大都市圏にある大病院に集中しています。マンモグラフィーの検査をするのに、片道3時間以上かけて病院に行かなければならない地域もあるのが実情です。また、これだけ働く女性が増加しているにもかかわらず、平日の通常時間しか検査ができない施設が多いのです」

 乳がん検診の主な流れは、問診、触診・超音波・マンモグラフィー検査。マンモグラフィー検査は2000年から日本で導入された、乳房を平らにして行うX線撮影。乳房を板で挟み、上下、左右の2方向から撮影して、所要時間は5~10分。できるだけ平らにするので少し痛みがある。そのため、

「どこも悪いところなんてないのに、痛い思いをしなきゃいけないなんて、いやですよ…」(前出・B美さん)

そんな気持ちで検診を受けない女性も多い。しかし、触診だけではわからない小さながんや良性疾患も診断できる。しかも診断精度は80~90%というから、1~2年に1回定期的に受診したい。

※女性セブン2011年5月12日・19日号

早期発見で治癒率9割の乳がん 胸にしこりあったらすぐ検診

現在、女性の16人にひとりがかかるといわれる乳がん。この乳がんは、乳房のしこりにより発見されることが多いが、しこりの表面はデコボコで硬く、周囲との境が曖昧なことが多い。成城松村クリニック院長の松村圭子さんによると、「しこりに痛みはなく、乳頭を搾ると血が混ざった分泌物が出ることも。しこりの特徴が乳腺症と似ているので、しこりがあると思ったら、すぐに検査を受けましょう」

とのこと。また、早期発見すれば治癒率は9割以上ともいわれており、「早期であればがんの部分は取り除き、そのほかの乳房を温存する治療が主流」だという。さらに、術後も放射線照射、薬物療法などで再発を防ぐことも可能だ。

検査方法については、触診、超音波などがあるが、「40代以降は乳腺が萎縮するので、細部まで診られるマンモグラフィーが適しています」と松村さん。40代以降は市区町村が実施する定期検診でも受けられる。負担も数百円程度がほとんどなので、アラフォー以上の女性には定期的な受診をおすすめする。

※女性セブン2011年6月23日号

がんの発見経路は「偶然」が1位 検診や人間ドックの約3倍

がん治療の第一歩は「早期発見」に尽きる。部位にもよるが、大腸がんや胃がんなどは発見が早ければ予後も良好で、難治性のがんでも早く治療を始めるほうが進行を遅らせることはできる。ところが、7月26日に国立がん研究センターが発表した「がん診療連携拠点病院 院内がん登録2008年全国集計 報告書」には意外な事実が記されている。
がんの「発見経路」のデータを見ると、「がん検診」が全体の7.7%、がんの発見を目的としない「健診・ドック」が8.0%、他の疾患を治療中・経過観察で偶然発見された「経過観察」が25.0%となっている。
「がん検診」の占める割合が低く、他の疾患治療などで偶然発見されることがもっとも多いのである。医療ジャーナリストで現役医師でもある森田豊医師は現状の問題点をこう指摘する。
「諸外国と比較して、日本はがん検診率が低いことが問題になっています」
経済協力開発機構(OECD)の2009年調査によると、日本の検診率はわずか20~30%前後。サラリーマンの場合、毎年、人間ドックに行く人は多いが、基本的な診断メニューでは、見つからないがんも多い。
「がんが進行して症状が出てから治療をするよりも、症状がない段階で、がん検診で見つかったがんの方が小さい病巣でとどまり、転移もないことが多い。検診率を上げていくことも重要な課題です」(森田医師)
がん検診はがんに特化した検査なので、早期発見に至りやすく、結果、生存率も高くなるということだ。

※週刊ポスト2011年8月12日号